2022年10月17日
バイシクル・リボルバー
こちら、Pocket's Gunsmithing製 .32セイフティ・ハンマーレス 1stモデル 2インチ銃身付 "バイシクル・リボルバー”と、タナカワークス オールドセンチニアル
セイフティ・ハンマーレスの銃身長2インチ以下のモデルは、”バイシクル・リボルバー”なんて愛称でも呼ばれますね。
実は、1888年にセイフティ・ハンマーレスが登場した当初、銃身長の基本バリエーションは3インチと3 1/2インチの2種類のみだったのですね。最初は2インチ銃身付は売ってなかったのです。
セイフティ・ハンマーレス以前からあったS&Wの.32トップブレイクリボルバー、すなわち.32シングルアクション(1878~)と.32ダブルアクション(1880~)は、いずれも銃身長は3インチと3.5インチが基本バリエーションでしたね。
ハンマーレスは、少数ながら特注で3インチと3 1/2インチ以外の銃身長のものも造られていたようです。
それで特注品の短銃身が反響が良かったのか、後になって2インチ銃身仕様も基本バリエーションに追加されたんだそうです。
とはいえ1stモデルの2インチ銃身付は数が少なくかなりレアなのです。
あ、当時の短銃身リボルバーが”バイシクル・リボルバー”とか”バイシクル・ガン”とか呼ばれていたアレですね、一応説明。
当時のヨーロッパやアメリカで、自転車に乗ってるときに野犬に襲われて危ない目に会ったってことがよくあったらしいです。
それで、野犬から身を守るために短銃身のリボルバーに人気が出たんだそうです。ヨーロッパ製だと小型リボルバー「ヴェロ・ドッグ」だとかウェブリーの「ブル・ドッグ」といった製品が有名ですね。
その流れで、.32や.38のS&Wセイフティ・ハンマーレスの超短銃身のものも”バイシクル・リボルバー”と呼ばれるようになったのですね。アイバージョンソンやH&Rも”バイシクル・リボルバー”として短銃身リボルバーを売っていましたね。
当時は、今よりずっと野犬は驚異で、路面の状況も良くなく、自転車やタイヤの走行安全性も悪かったわけですね。
自転車は19世紀初め頃のヨーロッパで登場、初期のものはペダルがなく足で地面を蹴って走り、、、
19世紀後半にはペダルとクランクが付いたものが登場。「オーディナリー」とか「ペニー・ファージング」と呼ばれる、前輪の異様に大きな自転車が有名ですね。
その後、チェーン駆動による後輪駆動の「セーフティ型」が登場するのですね。
映画「明日に向かって撃て」に出てきたのは「セーフティ型」でしたが、自転車のシーンは1900年代初め頃でしょうか。
で、S&Wのバイシクルガンですね。
特注セイフティ・ハンマーレスの中には、2インチより短い個体もあったわけですね。
1 3/4インチ銃身付
画像引用元:https://www.rockislandauction.com/detail/59/1750/smith-wesson-32-safety-hammerless-revolver-32-sw
1 1/2インチ銃身付
画像引用元:https://www.rockislandauction.com/detail/58/220/smith-wesson-32-safety-hammerless-revolver-32-sw
短いですねー
Posted by pocket at 01:14│Comments(1)
│●S&W セフティ・ハンマーレス
この記事へのコメント
面白い話で大変勉強になりました。
そうしますと、チャーターアームズのブルドッグも護身用として伝統あるネーミングであると。
私はブルドッグが猛牛にも立ち向かえるように強敵を打ち倒せるからと思っておりました。
そうしますと、チャーターアームズのブルドッグも護身用として伝統あるネーミングであると。
私はブルドッグが猛牛にも立ち向かえるように強敵を打ち倒せるからと思っておりました。
Posted by 引退した人 at 2022年10月17日 11:40